トワイライトエクスプレス瑞風のディナータイム、パブタイムのお楽しみと言えば、なんといってもお酒ですね。瑞風での飲食は基本料金に含まれているため飲み放題です。ドン・ペリニヨンのような特別なメニューのみ別料金が必要ですが、通常メニューでも高級な洋酒や沿線の地酒などが数多く用意されているので、飲み飽きることがありません。ここでは豪華列車・瑞風に選ばれた山陽山陰沿線の銘酒と瑞風オリジナルのカクテルを紹介します。
トワイライトエクスプレス瑞風はドリンク飲み放題
トワイライトエクスプレス瑞風のツアーに参加中は、車内および立ち寄り観光先で食事の際、どれだけお酒やソフトドリンクを注文しても追加料金はかかりません。
極論ですが、時間が許す限りラウンジカーに入り浸ってお酒を飲み続けてもOKです(笑)
ただし、高級シャンパンやプレミアムワインは別料金が発生します。メニューに金額が書いてあるのでご注意を。
お酒が飲めない人は、飲み放題と言われてもそんなにうれしくないかもしれませんが、沿線の特産品を使ったジュースなどが種類豊富に用意されているので、いろいろ飲み比べることもできます。
とはいえ、いくら飲み放題と言ってもすべてのメニューを試すことはできません。
それならば、せめてウチ飲みで瑞風の余韻に浸りながら飲んでみたい! ということで、我が家で瑞風のドリンクメニューを写真で開いてみました。
ダイナープレヤデスのドリンクメニュー
ネタバレになるのですべてのメニューを書き出すことは差し控えますが、沿線にゆかりが深いもののなかから数点ピックアップしたいと思います。
なお、ここで取り上げたドリンクメニューは2017年7月のツアー時のものです。
中国地方のワイン
本場フランスをはじめとする海外のワインが並ぶ中で、中国地方のワイナリーでつくられている日本ワインもしっかりラインナップされています。
沿線の名産品を積極的に紹介して盛り上げようとする姿勢が感じられますね。
日本ワインは馴染みがないという方も、瑞風に選ばれたワインの実力を試してみませんか。
島根ワイナリーのスパークリングワイン
島根ワイナリーがある出雲地方は、明治の頃には葡萄栽培が始まっていたそうで、葡萄の名産地として知られています。
特産の葡萄を活かしてワインづくりをはじめたのは昭和30年代のことで、日本ワインのなかでも長い歴史を誇ります。
しかしながら、ワイン製造を始めてから30年くらいは品質が安定せず、赤字続きだったそうです。
そのような苦しい時代を経て、徐々に品質が向上し、国内の品評会でも高く評価されるワインを安定してつくれるようになりました。
出雲大社の近くにある島根ワイナリーは、今では観光名所となっており、たくさんの訪問客でにぎわっています。
瑞風で提供されているマスカット・ベーリーA スパークリングワインは、テーブルを華やかに彩るロゼのスパークリングワインです。辛口ですっきりした味わいが特長となっています。
奥出雲ワイナリーのシャルドネ
島根県雲南市の山中にある奥出雲葡萄園は、年間出荷数が4万本ほどという国内で1~2位を争う小規模ワイナリーですが、知る人ぞ知る良質なワインを生み出しています。
その源は、自社農園で減農薬栽培された葡萄。規模拡大よりも質を追求することで、理想とする本物のワインがつくられるのです。
この奥出雲葡萄園を含む「食の杜」が、瑞風の立ち寄り観光地に選ばれました。
健やかな食を目指し、自然と共生する理念を実践していることが高く評価されたのだと思います。
瑞風では、奥出雲葡萄園のワインのなかでも高く評価されているシャルドネがメニューを飾っています。
三次ワイナリーのTOMOEメルロー
中国山地に囲まれた盆地の町、広島県三次市は昼夜の寒暖差が激しく、霧の町として知られています。
この豊かな自然環境で育まれた良質な葡萄だけが、三次ワインの原料となるのです。
三次ワインのブランド「TOMOE(トモエ)」は少量生産で高品質、そして、醸造家のプライドが込められた逸品です。
瑞風に提供されているTOMOEメルローは、三次産メルローを100%使用。適度な酸味と程よいタンニンのある赤ワインで、肉料理によく合います。
中国地方の日本酒
日本酒は各地に酒蔵があるため、瑞風のメニューにも沿線の地酒が多数リストアップされています。
ここでは筆者が車内で飲んだ日本酒にしぼって紹介します。
松江の日本酒 豊の秋 大吟醸
ディナーで宍道湖畔を走行中にいただいた松江・米田酒造の「豊の秋 大吟醸」。
冷やした日本酒をワイングラスに注いでいただきます。
ワインのようなフルーティな味わいで、日本酒が得意ではない私でもスーッと喉を通りました。
鳥取の日本酒 いなば鶴 純米大吟醸 強力(ごうりき)
鳥取にある中川酒造のお酒「いなば鶴 純米大吟醸 強力(ごうりき)」。
見るからに力強い名前ですが、強力とは鳥取だけでつくられている酒米の名だそうです。
戦後、生産が完全に途絶えていた強力ですが、「鳥取ならではの地酒を造りたい」との思いで入手した種子から米作りをはじめ、現代によみがえった奇跡の日本酒です。
そんなエピソードを知らずにいただきましたが、日本酒らしい力強さがありつつ、飲みやすさも兼ね備えたおいしいお酒でした。
中国地方の焼酎
芋焼酎 なまけ者になりなさい
「なまけ者になりなさい」というネーミングと水木しげる先生直筆の目玉おやじのラベルが愉快な芋焼酎です。
芋焼酎と言えば鹿児島、宮崎が有名ですが、こちらは鳥取県米子の蔵元・稲田本店でつくられています。
焼き芋のような甘くコクのある風味で、しっかりとした味わいが特徴です。
中国地方の地ビール
お酒といえばやっぱりビール! という方には、いつもと違うクラフトビールはいかがでしょうか。
山口地ビール ペール・エール
やまぐち鳴滝高原ブルワリーは、モンドセレクションで多数の受賞歴を誇るブルワリーです。
山口鳴滝の天然水は、ミネラルを豊富に含んでおり、この土地でしかできない深みのある味を生み出しています。
小規模なブルワリーならではの、個性的なクラフトビールを味わえることでしょう。
瀬戸内しまのわビール
こちらは客室の冷蔵庫に常備されていた「しまのわビール」です。
瀬戸内をイメージしたさわやかなラベルが印象的ですね。
呉ビールの「海軍さんの麦酒」は、ビール酵母を取り除かないため、冷蔵保存で賞味期限が60日間という鮮度が命のビールです。
「しまのわビール」は柑橘系の香りがするアロマホップを贅沢に使用し、瀬戸内の果物をイメージして仕込んでいるのが特徴となっています。
中国地方のノンアルコールドリンク
トマトジュース アイコの雫
山口県で海藻を使ったアルギレット栽培でつくられたミニトマト、アイコを絞ったジュースなので「アイコの雫」。可愛い名前ですね。
私は飲んでいないのですが、同行した友人が飲んだ感想は「トマトじゃないみたいにとっても甘い」そうです。
二十世紀梨ジュース
鳥取県の名産品として有名な二十世紀梨。その果汁を余すことなく味わえる贅沢な梨ジュースです。
ありそうでなかった二十世紀梨のジュースを一度試してみませんか?
サロン・ドゥ・ルゥエストのドリンクメニュー
ダイナープレヤデスのドリンクメニューに加えて、カクテルが豊富に並んでいました。
特に、ここでしか味わえないオリジナルカクテルは外せません。
オリジナルカクテル「瑞風サンセット」
夕焼けをイメージした紅色とスノースタイル(塩付け)が美しいカクテルです。乗車記念にどうぞ!
オリジナルカクテル(ノンアルコール)「日本の原風景」
トロピカルな雰囲気のカクテルですが、名前は「日本の原風景」。緑の田園風景をイメージしているのでしょうか。
生のメロンをミキサーにかけているのでとっても濃厚。そのうえ、グラスに刺さったメロンがインパクト大!
メロンの果実感がたっぷりで美味しかったです。
まとめ
瑞風のダイニングカー「ダイナープレヤデス」とラウンジカー「サロン・ドゥ・ルゥエスト」で提供されるドリンクの一部を、その由来とともに紹介しました。
瑞風に乗った人も、これから乗る人も、極上の旅ののどを潤す逸品で、豪華列車の車中に思いを馳せてはいかがでしょうか。
高級シャンパンの代名詞=ドンペリ [2006]