トワイライトエクスプレス瑞風のツアーコースのうち、山陰上りコースと山陽山陰周遊コースの2つは、最終日の早朝に伯備線を走行します。そのココロは、山陰の名峰・大山を朝焼けとともに鑑賞するため。思わず息をのんだ絶景を写真と動画でご覧ください。
瑞風自慢の展望デッキ
トワイライトエクスプレス瑞風の編成の両端にある展望デッキは、他のクルーズトレインにはない瑞風自慢の設備です。
私は瑞風乗車直後から降車するまで、時間の許す限りデッキに出ていました。豪華な個室やラウンジよりも気持ちいい場所だったからです。
伯備線に乗り入れる瑞風
山陰上りコースと山陽山陰周遊コースの2つのコースのみ、伯耆大山駅から伯備線に乗り入れます。
運行時刻は両コース共通となっています。
以下の時刻表は2017年7月時点のものです。
米子駅5:00発車
伯耆大山駅から伯備線に入って岸本駅へ
岸本駅5:12着
岸本駅で進行方向を変えて伯耆大山駅へ
岸本駅5:22発車
伯耆大山駅5:30着
冬期は江尾駅まで乗り入れ
夏場は朝4時に夜明けを迎えますが、冬場だと7時まで待たなければなりません。その調整のためなのか、冬期は伯備線の江尾駅まで乗り入れる予定です。
季節によって眺めがどのように変わるのか興味深いところです。しかし、冬だと展望デッキに出るのは厳しそう。雪が降ってなくても凍えそうだから。
早朝の伯耆大山駅から伯備線岸本駅の展望デッキの眺め【動画】
伯備線を一駅だけ走る理由とは?
米子駅で夜を明かした瑞風は、朝5時ちょうどに米子駅を発車して、ゆっくりと伯備線に乗り入れていきます。
目的地は伯耆大山駅の次の岸本駅。
なぜこんな時間に、伯備線を一駅だけ往復するのでしょうか?
その理由は、次の動画を見れば一目瞭然でしょう。
展望デッキで絶景を独り占め
私が展望車(1号車)に来た時、展望デッキは鍵がかかっていて出られませんでした。
しかし、クルーがすぐに気づいてくれて開けてくれました。早朝はデッキを開けないのかもしれません。
展望デッキで爽やかな風を受けながら、朝焼けに映える大山を眺めました。
夏の朝の空気、草の匂い、まばゆい朝日、線路を刻む音…
言葉にできない感動を覚えました。
私以外に展望デッキに来る人はなく、絶景を独り占めさせていただきました。
伯備線・岸本駅で折り返し
岸本駅で10号車の展望デッキへ
10号車を先頭にして岸本駅に到着した瑞風。ここで進行方向を変えて伯耆大山へ戻ります。
私は1号車から10号車まで車内を走りました。
10号車には同室のN氏がすでに来ていました。
外に出て、朝の新鮮な空気を浴びます。
岸本駅で発車の時を待つ瑞風
岸本駅に停車中。バックミラーに瑞風が映っています。
早朝にもかかわらず、地元の方が列車見物に来ていました。
線路際に置かれていた石碑。その向こうは田んぼの緑が広がり、草のにおいに懐かしさを感じます。
白い月が瑞風を見下ろしていました。
折り返し、伯備線岸本駅から伯耆大山駅の展望デッキの眺め【動画】
朝焼けに映える大山の眺め
青、白、オレンジ。刻々と色を変えていく空。
5時22分、岸本駅を発車。風が心地いい。
朝焼けを背景にして大山のシルエットが浮かびました。
伯備線に入ったことで、西の空に昇り始めた朝日をちょうど真横に眺められるのですね。
徐行運転で素晴らしい景色をじっくりと堪能します。
市街地に入ると間もなく山陰本線と合流。
5時30分、伯耆大山駅に到着。
わずか8分間の大山劇場でしたが、五感すべてを使って眺めた大山は、私にとって生涯忘れることはないでしょう。