豪華列車の旅はサービスを提供する側だけでなく、乗客の側もそのイメージにふさわしい装いやふるまいが求められます。そのため、瑞風をはじめとするクルーズトレインでは、あらかじめドレスコードが提示されています。一般的な日本人にはなじみが薄いドレスコードについて確認するとともに、実際どんな格好をすれば恥ずかしくないのか、瑞風の乗車体験を交えて解説します。
豪華列車のドレスコードとは
トワイライトエクスプレス瑞風では、申し込みページにあらかじめドレスコードが示されています。
なんだか堅苦しいと感じるかもしれませんが、たとえば結婚披露宴に出席するとき、言われなくてもその場にふさわしい格好で臨みますよね。それと同じように、豪華列車に乗るときにも意識すべき暗黙のルールがあるということです。
瑞風の公式ページに出ているドレスコードを以下に引用します。
トワイライトエクスプレス瑞風のドレスコード
セミフォーマル
シーン例:ディナータイムやパブタイムなど
男性:ネクタイ、スーツ、上着(ジャケット・ブレザー)など
女性:ワンピース、スーツ、上着(ジャケット・ブレザー)など
スマートカジュアル
シーン例:車内のパブリックスペースなど
男性:襟付きシャツ、上着(ジャケット・ブレザー)など
女性:ワンピース、上着(ジャケット・ブレザー)、襟付きシャツなど
カジュアル
シーン例:立ち寄り観光
ポロシャツ、ジーンズ、ハーフパンツ(一部の立ち寄り観光時除く)でのご参加も可能です。
立ち寄り観光時はスニーカーなど歩きやすい靴でのご参加をお勧めいたします。
実際、どんな格好ならいいの?
「ドレスコードってこんなにあるの~!面倒くさそう!!」と思いますよね~。
カジュアルなシーンでも、Tシャツ・短パンはありえませんね(笑)
もしそんな恰好で参加したら、浮きまくって白い目で見られること間違いなしです。
では、どんな格好なら許されるのでしょうか。シーンごとに考えてみましょう。
セミフォーマルのおすすめの服装(男性)
主にディナータイムとパブタイムの夜だけの服装です。
ディナーからの流れでラウンジカーに行く場合はそのままの服装で行くことができます。
スーツ
男性の場合はスーツを着ればOKです。
ダーク系(グレー、ネイビーなど)のビジネススーツに華やかな色合いのネクタイを合わせれば十分です。
礼服だとフォーマルすぎる印象ですが、他に持ち合わせがなければ礼服で構いません。より気合いを入れてタキシードに挑戦してみるのもアリですよ!(笑)
気を付けたいのは、サイズがブカブカだったりピッチリしてたりするのはNGです。
可能であれば寸法直しに出すか、新しいものを調達しましょう。
ネクタイ
ふだん着用しているもので気に入っているものがあればそれで構いません。
もし、シミやシワが目立つようであればクリーニングに出しておきましょう。
新品を買うのであれば、少し奮発して高級なものにすると、気分が上がって自信を持って臨めます。
ワイシャツ
白無地のワイシャツを選んでおけば間違いありませんが、お好みでカラーワイシャツやストライプなどの柄が入ったワイシャツでも構いません。
ボタンダウンのワイシャツはフォーマルな場では推奨されません。海外ではビジネスシーンでもNGな場合が多いそうです。
半袖ワイシャツもNGです。
靴
黒または茶系の本革の靴を選び、事前に磨いておきましょう。
靴下
黒またはダーク系の無地のものをおすすめします。
腕時計
格式あるフォーマルな場では、腕時計は着けないか、白文字盤に二針で黒革バンドのもの限るという暗黙のルールがあるそうです。
しかし、旅行中のセミフォーマルな場であればそこまで気にする必要はありません。スーツに似合う腕時計であればOKです。
ただし、たとえ高価であっても、デジタル式のスポーツウォッチ(G-Shockなど)は避けた方がよいでしょう。
アクセサリー(ネックレス、ブレスレット、ピアスなど)
身に着けない方がベターですが、こだわりがあるのであればお好みで身に着けても構いません。
ベルト
見落としがちなのがベルトです。ヨレヨレになっていたりひび割れたりしませんか?
目立たないようで意外と存在感があるので要注意です。上質感のある本革のベルトを着けましょう。
スマートカジュアルのおすすめの服装(男性)
スマートカジュアルは、
- 瑞風に最初に乗り込むとき
- 車内での朝食、昼食、茶会、演奏会のとき
- ラウンジカーや展望車などの共用スペースで過ごすとき
- 瑞風を最後に降りるとき
など、ディナータイム以外の時間に、車内で過ごす服装です。
ジャケット
スーツとは別にジャケットがあると便利です。軽装でもジャケットを羽織れば締まって見えます。
オーソドックスなもの以外に、旅行向けの機能的なジャケットもあるので、お好みで選んでください。
ドレスシャツ
ノーネクタイで着られる襟付きのシャツです。
ボタンダウンシャツや半袖のワイシャツでも構いません。ニットタイを合わせてカジュアル感を出すのもよいでしょう。
言うまでもありませんが、シャツの外出しはNGです。
ドレスシャツとカジュアルシャツの違いがピンと来ない方は、ドレスシャツ・ネクタイ専門店ウィンザーノットの商品ページが参考になります。
スラックス
折り目のついたスラックスを履きましょう。
キレイ目のチノパンでも問題ないと思います。
ジーンズはカジュアル寄りなので避けた方が無難です。
カジュアルのおすすめの服装(男性)
立ち寄り観光の際は、訪問先に応じてカジュアルな服装で参加できます。
なお、瑞風の立ち寄り観光では出雲大社などの神聖な場所を訪問することが多いので、ハーフパンツのようなラフな服装は除外しておきましょう。
Tシャツ短パン以外なら普段着の私服で大丈夫ですし、スマートカジュアルの服装で立ち寄り観光に出かけるのもアリです。
ポロシャツ
暑い季節は半袖のポロシャツがあれば便利です。長袖のポロシャツももちろんOKです。
ポロシャツは洗濯するとどうしても型崩れしやすいので、できるだけ新しいものを着るようにしましょう。ユニクロなどで売っている安くてシンプルなもので十分です。
ジーンズ
立ち寄り観光中はジーンズを着用できます。
特に、鳥取砂丘を歩く場合や東浜で地引き網体験をする場合には、ジーンズのような汚れが気にならない服装をおすすめします。
スニーカーなど外出用の靴
石段を昇り降りすることがあります。
履きなれた歩きやすい靴を用意しておきましょう。
帽子
外を歩く際は、夏以外でも帽子がある方がいいです。
おしゃれアイテムとしても使えますよ!
ドレスコードに合った女性の服装
女性の服装として
- ワンピース
- スーツ
- 上着(ジャケット・ブレザー)
- 襟付きのシャツ
が勧められていますが、それぞれのバリエーションが豊富なので男性よりも悩ましいと思います。
シーンに応じて、上品な服装を心がけてください。
瑞風のドレスコードの実際の印象
思っていたより「ゆるい」ドレスコード
ドレスコードについてつらつらと書いてみましたが、瑞風に実際に乗ってみてどうだったかというと、それほど厳格なものではありませんでした。
年齢を重ねた乗客が多く、おかしな格好をする人がいなかったということもありますが、特に着飾る人もおらず落ち着いた印象でした。
季節が夏だったので、おしゃれなアイテムを投入しにくかったという事情もあるかもしれません。
筆者はどんな服装で臨んだか
では、筆者はどんな服装をしたかを具体的にお話しします。瑞風に乗車したのは7月の暑い時期でした。
セミフォーマル・シーンの筆者の服装
- ダークグレーのビジネススーツ(大型紳士服店で購入したもの)
- FAIRFAX(フェアファクス) のネクタイ(ドレスシャツ・ネクタイ専門店ウィンザーノットで購入)
- 白無地の長袖ワイシャツ(量販店で購入)
- 黒色・ストレートチップの革靴(ABC-MARTで購入)
この他に、友人から借りたスウェードのジャケットと蝶ネクタイも着用しました。
ちなみに蝶ネクタイをしたのは人生初です(笑)
スマートカジュアル・シーンの筆者の服装
ツアー前半はジャケットを着用していましたが、服装についてうるさくない感じだったので、後半は半袖のドレスシャツで過ごしました。
上の写真は瑞風に乗る前の一枚です。
- エディー・バウアーのサマージャケットとスラックス
- ボタンダウンの半袖ワイシャツ(量販店で購入)
- ROCKPORT(ロックポート)のカジュアルシューズ(ABC-MARTで購入)
- ペーパーハット(量販店で購入)
カジュアル・シーンの筆者の服装
立ち寄り観光のときは基本的に半袖のポロシャツとスラックスまたはジーンズで過ごしました。
汗をかく時期の2泊3日コースだったので、ポロシャツを3着も用意しました。
結論・安価なコーディネートでも大丈夫!
ドレスコードで悩んでいる方の参考になればと思い、筆者の安価なファッションを恥ずかしながら公開しました。
ご覧の通り、高級ブランドのものはひとつもなく、量販店やネットで容易に手に入るアイテムばかりです。
お金はそんなに掛かっていませんが、オーソドックスな清潔感のある服装を心がけたつもりです。
ドレスコードがあるといっても旅行中の列車内ですので、リラックスした堅苦しくない服装で問題ありません。
逆に、気合いを入れてタキシードや和装(着物)に挑戦してみるのも面白いでしょう。他の乗客やクルーに一目置かれること間違いなしです。きっと一生の思い出になりますよ!
無難にやり過ごすのもいいですが、せっかくの機会なので頑張ってドレスアップしてみてはいかがでしょうか。