トワイライトエクスプレス瑞風は偉大なるローカル線の山陰本線を全線走破する唯一の列車です

トワイライトエクスプレス瑞風の運転コースは、瀬戸内海沿岸の山陽本線と日本海沿岸の山陰本線をぐるっとまわる中国地方周遊コースです。このようなコースを定期的に運行する列車は史上初のこと。つまり、運行コースも瑞風がオンリーワンといえるところです。

このページの情報は 2017年現在 のものです。

目次

トワイライトエクスプレス瑞風の運行コース

瑞風の運転コースは、5つあります。

  • 山陽下りコース(京都→大阪→倉敷→岩国→下関)
  • 山陽上りコース(下関→宮島口→尾道→大阪→京都)
  • 山陰下りコース(大阪→京都→城崎温泉→萩→下関)
  • 山陽上りコース(下関→出雲市→鳥取→京都→新大阪)
  • 山陽・山陰周遊コース(京都→岡山-(下関)→宍道→松江→鳥取→東浜→京都→大阪)

特筆すべきは山陰本線を通るコースで、京都〜鳥取〜松江〜益田〜長門市〜幡生の山陰本線全線(673.8km)を走破します。

実は、トワイライトエクスプレス瑞風の他にこの区間を通しで走る列車はありません。

偉大なるローカル線・山陰本線

山陰本線は京都駅と下関駅のとなりの幡生(はたぶ)駅のあいだを結ぶ長い路線です。

京都府、兵庫県、鳥取県、島根県、山口県の日本海沿岸を走ります。

山陰”本線”という幹線に位置付けられている路線ですが、ほとんどの区間が非電化・単線なのでローカル線のイメージが強いといえます。

この区間を走る「スーパーおき」や「スーパーまつかぜ」といった特急列車でも2~4両の短い編成で運行されています。

多客期は4両編成のスーパーおき
多客期は4両編成のスーパーおき

鉄道ファンには「偉大なローカル線」と呼ばれて愛されている山陰本線。

そのこころは、日本最長の在来線の路線でありながらもローカル線の風情があふれている懐の深さにあると思います。

風光明媚な山陰本線の車窓
風光明媚な山陰本線の車窓

山陰本線を長距離運行した名列車たち

特別なトワイライトエクスプレス

2015年度に臨時運行された「特別なトワイライトエクスプレス」。

この列車にも山陰コースの設定がありましたが、大阪〜米子間は東海道/山陽本線・伯備線を経由するコースでした。

特急まつかぜ

歴史をさかのぼってみると、1960年代に特急「まつかぜ」が京都〜松江〜博多間を走っていました。

しかし「まつかぜ」は京都発着だったものの、大阪駅を経由して福知山線を通るコースでした。

とはいえ、現在では考えられないコースで長距離運行の特急列車ですね。

門司発福知山行き普通列車「824列車」

日本最長の走行距離を走ることで名を馳せた「824列車」。運行距離は595.1kmにもおよびました。

しかし、残念なことに京都の手前の福知山が終着でした。この列車は昼行便だったので、一日のあいだにたどり着ける限界が福知山だったのです。

1973年5月号の時刻表によると、門司5:22発→福知山23:51着となっています。18時間29分もの長旅です。

なぜこんなに時間がかかっていたのかというと、途中駅での行き違い待ちや後続の特急列車に道を譲るために長時間停車を繰り返していたからです。

824列車は1984年のダイヤ改正で短縮化されてしまい、最長列車の地位から降りています。

参考記事>いすみ鉄道社長ブログ 山陰本線824列車

普通列車「829列車」「826列車」

夜行列車を含めると、1972年3月に運行終了した普通列車「829列車」「826列車」が全線を走破していました。

普通列車ながら京都~出雲市のあいだは寝台車を連結していたそうです。

実に45年も前に山陰本線を走破する列車は途絶えていたのですね。

山陰本線の普通列車(イメージ)

参考記事>(マイナビニュース)JR在来線最長距離の山陰本線、特急街道と閑散路線が混在

偉大なローカル線に吹き込むみずみずしい風

ということで、瑞風の登場によって、45年ぶりに山陰本線を全線走る列車が復活することになります。

鉄道ファンから「偉大なローカル線」といわれ、風光明媚な車窓が人気の山陰本線。

そこにみずみずしい風が吹き込むことは、とても意義深いといえるのではないでしょうか。

付け加えていうならば、山陽・山陰本線を通しで周遊する列車は史上初です。

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