留萌本線の旧増毛駅、留萌駅へは沿岸バスの特急ましけ号で行こう!

増毛ターミナル停車中の特急はぼろ号

2016年12月に廃止された留萌本線の留萌駅~増毛駅。かつての終着駅があった増毛町を経由して現在の終着駅がある留萌へは、札幌直通のバス「特急ましけ号」が1日1往復しています。このバスが走る国道231号線は、札幌と留萌のあいだを日本海の海岸沿いに通るルートで「オロロンライン」という旅情を誘う愛称がつけられています。以前から気になっていたこのバスに、増毛駅廃止前に乗ることができましたのでレポートします。

※この記事は2016年7月当時の情報です。当時は「特急はぼろ号(増毛経由)」という名称で、増毛駅前を経由しない運行経路でした。

目次

《追記》留萌本線が2026年に全線廃止へ

石狩沼田-留萌は2023年3月末廃止の見込み

JR北海道は、留萌本線の石狩沼田-留萌を2023年9月30日をもって廃止するとして、鉄道事業廃止届出書を国土交通大臣宛てに提出しました。

さらに廃止日を半年繰り上げる方向で、2023年3月31日が最終運行日となる公算が高くなっています。

残る石狩沼田~滝川間についても、2026年3月末に廃止する方向で沿線自治体と合意しています。

乗り納めはお早めに!

乗車記

札幌駅バスターミナルは駅直結のエスタ1階

札幌~増毛~留萌~羽幌を結ぶ沿岸バスの特急はぼろ号の乗降場所は札幌駅バスターミナルにあります。JR札幌駅に隣接する商業施設「エスタ」の1階部分にあり、各乗り場へはエスタの地下1階か2階からアクセスすることができます。

札幌駅バスターミナルはビックカメラの下

エスタにはビックカメラが入居しているので充電器やSDカードなど、デジモノの補充はここでできます。あとで知ったのですが、エスタの10階には「札幌ら~めん共和国」というフードテーマパークがあり、道内の名店が8店も集まっているとのこと。バスに乗る前に小腹が減ったら、ここでツルッといくのもいいですね。

札幌駅バスターミナル・沿岸バスは11のりば

特急はぼろ号は11番のりば

11番のりばでバスを待ちます。国道231号経由・羽幌行き(浜益・増毛経由)が今回お目当てのバスです。増毛経由となっていますが、あいにく増毛駅には行かず増毛ターミナルというバス停で乗り換えなければならないのが惜しいところです。その代わり、舎熊駅前と阿分(駅前)バス停には停車するので、そこで列車に乗り継ぐという手が使えます。

このバスは予約不要の自由席ですが、増毛経由ではない、道央自動車道~深川留萌自動車道から留萌、羽幌方面へ向かう便は、予約制指定席で1日5往復もあります。

札幌駅バスターミナルの特急はぼろ号

快適なバス車両と車内設備

特急はぼろ号の車内

沿岸バス・特急はぼろ号のバス車両ですが、終着の羽幌まで4時間近いロングランに耐える快適な設備を備えています。

足元スペースはやや広めで、フットレストが備えられていたのでさっそく靴を脱いでリラックス♪

運転席の上にテレビモニターがあり、地元のテレビ放送がずっと流れていました。各席に用意されたヘッドフォンで音声を聞くことができます。

車内後方にトイレが付いています。日曜夕方のこの便の乗客数は約20名と結構多かったものの、観光客は私を含めごく少数。札幌で用事を終えて帰ると思われるご年配の方やスーツ姿の人が多く見受けられました。

北海道らしい車窓風景に癒される

特急はぼろ号の車窓風景

16時10分発車。札幌の市街地を抜けてしばらくは石狩平野を走ります。草原に牧草ロールが転がっているのを見ると、北海道だなーという感じがします。

そして、カップホルダーには「THE 北海道」をセッティング(笑)。

特急はぼろ号の車内(カップホルダー)

車内前方のテレビモニターにも「THE 北海道」=俳優(?)の大泉洋がバーベキューを頬張っていました。

日本海に面したオロロンラインをシーサイドドライブ

オロロンラインを走る

平野部を過ぎると、海岸まで山が迫る急峻な地形に変わります。

左手にはずっと日本海が貼りついています。この日はあいにくの曇り空でしたが、晴れていれば日本海に沈む夕日がきれいなことでしょう。

山がちな地形のため、長いトンネルやロックシェッドによく遭遇します。そのおかげで峠道や急カーブはほとんどないので、バスは揺れが少なく快適です。ただ、テレビ放送が中断してしまうのは仕方がないですね。

ひとけのない寒村のバス停でも、降りる人がいました。

時折現れる小さな漁港。これはたぶん雄冬港。

小さな漁港

町はずれにある増毛ターミナル

増毛ターミナルの建物

札幌から2時間15分の乗車ののち、18時25分の定刻に増毛ターミナルに到着。運賃は2,310円でした。私の他に5、6人くらいの乗客が降りましたが、増毛ターミナルは町はずれにあるため、クルマで迎えに来てもらっていたり、町の方向へスタスタ歩いていかれました。

私も増毛駅へ移動しなければなりませんが、ここから駅までは1,200mほど。歩いても知れてますが、18時45分に駅へ向かうバス(留萌市立病院行き)が来るのでそれを使うことにします。

発車していくバスをカメラに収めようと待ち構えますが、ここでは休憩タイムのため運転手さんもしばしハンドルから離れます。10分後、バスは留萌、羽幌へ向けて出発しました。

増毛ターミナルを出る特急はぼろ号

バスが出たあと、増毛ターミナルに残ったのは私一人。外がまだ明るいのが救いですが、真冬の暗がりの中だったら不安に襲われそうです。かつては事務所として機能していたと思われる建物も今は無人。窓口のシャッターはいつから降りたままなのでしょうか。

増毛ターミナル待合室

増毛ターミナルから増毛駅へ路線バスで移動

留萌市民病院行きバス

定刻より少し遅れてきた留萌市立病院行きの路線バスは、さっきまで乗っていた特急バスと同仕様の大型バスだったので驚いた。増毛駅へまっすぐ向かうのかと思ったら南暑寒町というバス停にまわり道するコースで意外と時間がかかった。といっても10分かからず、夕暮れの増毛駅についに到着!

念願の増毛駅にご対面

夕暮れの増毛駅バス停

時刻はもう19時だけれど、駅の姿が十分見える明るさが残っていたのがうれしい。長いあいだ再訪したいと願っていた増毛駅に、ようやくたどり着くことができて、静かに喜びが湧いてきた。駅周辺に陣取る同業者の姿がないことを確認すると、これ幸いとばかりに写真を撮りまくりました(笑)。

このあと、19時48分発の深川行きの列車で増毛を跡にしました。

この旅のまとめ

2016年12月4日(日曜日)の運行をもって廃止された留萌本線の留萌~増毛。さらに追い打ちをかけるように、残された深川~留萌のあいだも廃止が決定しました。

鉄道ファンとしては心穏やかではいられませんが、その時が来る前にできるだけ乗りに行くしかありません。留萌へは列車で行くべきだと思いますが、時には趣向を変えてバスでアプローチしてみるのも一興かと思います。旧増毛駅などに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

今回の乗車経路

  • 乗車日:2016年7月17日(日曜日)
  • 乗車経路:札幌駅バスターミナル 16:10発-(沿岸バス・高速はぼろ号)→増毛ターミナル 18:25/18:45-(沿岸バス・留萌別苅(増毛)線)→増毛駅 18:58/19:48-(留萌本線)→留萌 20:18

※ この地図の運行経路は実際と異なる場合がありますので、おおよその目安としてご覧ください。

バス運行情報

沿岸バス・特急ましけ号

2022年10月現在の情報です。

  • 運行会社: 沿岸バス
  • 運行経路: 札幌駅~旧増毛~留萌(特急ましけ号)
  • 所要時間/運賃: 約2時間20分/2,360円(札幌駅~旧増毛駅)
  • 運行本数: 1日1往復
  • 参考リンク: 沿岸バス・高速乗合バスのページを参照

留萌駅周辺の宿泊情報

ビジネスホテル R−inn

ホテル ニューホワイトハウス

HOTEL NORTH.i(ホテル ノース アイ)

(取材日:2016年7月17日)

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