これから大回り乗車をやってみたいという方のために、関東・首都圏(東京近郊区間)の大回り乗車におすすめのモデルコースをご紹介します。
1回で最長コースを狙うのではなく、4回シリーズで関東地方をぐるっと一周するコースをつくってみました。ざっくりと東西南北の4ブロックに分けています。他にもいろいろなコースが考えられますが、まずはこれを手始めにしてみてはいかがでしょうか?
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モデルコース1=北関東コース(南武線・青梅線・八高線・両毛線など)
東京駅を出発。東海道本線の川崎で南武線に乗り換えて北上し、青梅線、八高線を経由して群馬県の高崎を目指します。両毛線で栃木県の小山へ向かい、東北本線(宇都宮線)、埼京線、中央本線を通って神田に戻ってくるコースです。
単線のローカル線に乗ったり、上州の山々を車窓から眺めることができますよ!
これだけ乗って運賃は140円! 下の図の赤線のコースをたどります。
北関東コースの乗車経路図
北関東コースの乗り継ぎ時刻表(土休日)
下記の時刻表は2020年3月14日ダイヤ改正後の土休日の時刻表をもとに作成しています。お出かけの際は必ず最新の時刻表をご確認ください。
北関東コースの楽しみ方
朝9時に東京駅を出発すると、高崎まで短い乗り換え時間でスムーズに移動できます。そのぶん、途中駅で買い物したりトイレへ行ったりする時間が取りにくいので、出発前に用事を済ませておきましょう。
川崎駅で南武線に乗り換えて立川へ。あえて中央線を使わないのがミソです。
拝島から高崎までは八高線(はちこうせん)の列車に乗ります。高麗川(こまがわ)駅から先は単線で、2両編成のディーゼルカーが走ります。都心から遠くないところでローカル線の風情を味わえますよ!
八高線の車窓。人工物が見えない、のどかな風景。
高崎駅で30分の乗り換え待ちになるので、ここでお昼ごはんにしましょう。売店で名物のだるま弁当や峠の釜めしが買えますし、立ち食いそばのお店も改札内にあります。
高崎から小山(おやま)までは両毛(りょうもう)線に乗ります。沿線の見どころと言えば赤城山。
小山駅のホームにも立ち食いそばのお店「きそば」があります。おなかが減っていなくても、つい食べたくなりますね(笑)。
小山まで来ればあとは都心へ向かって帰るだけです。ここから先は列車が頻繁に走っているので、大宮駅のエキュートに立ち寄ってショッピングを楽しんだり、カフェに入って旅の疲れを癒すのもおすすめです。
モデルコース2=東関東(総武本線・東金線・成田線・水戸線など)
東京駅の京葉地下ホームを出発。蘇我で乗り換えて、銚子の一駅手前の松岸駅へ向かいます。終点の銚子まで乗りたいところですが、大回り乗車では行くことができないので要注意。成田線、常磐線を経由して友部から水戸線に乗って小山へ。あとは、東北本線(宇都宮線)、山手線を通って神田に戻ってくるコースです。
これだけ乗って運賃は140円! 下の図の赤線のコースをたどります。
東関東コースの乗車経路図
東関東コースの乗り継ぎ時刻表
下記の時刻表は2020年3月14日ダイヤ改正後の土休日の時刻表をもとに作成しています。お出かけの際は必ず最新の時刻表をご確認ください。
東関東コースの楽しみ方
朝8時半に東京駅を出発すると、成田まで短い乗り換え時間でスムーズに移動できます。そのぶん、途中駅で買い物したりトイレへ行ったりする時間が取りにくいので、出発前に用事を済ませておきましょう。
成田線と常磐線の乗り換え駅の我孫子駅。ここにある立ち食いそばのお店「弥生軒」は唐揚げそばが名物。巨大な唐揚げに驚くこと間違いなし!お昼ごはんにどうぞ。
弥生軒は放浪画家として有名な山下清氏が一時期勤めていたことでも知られています。
小山駅に停車している水戸線の電車(E501系)。短いといっても5両つないでいます。
小山駅のエキナカもなかなか充実しています。長旅で疲れたらカフェでひと息つきませんか?
大宮のほか、赤羽、上野のエキュートもお店がたくさんあるので、寄り道して電車ざんまいの一日を締めてはいかがでしょう。
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モデルコース3=南関東(総武本線・東金線・外房線・内房線・京葉線)
東京駅の総武地下ホームを出発し、千葉へ向かいます。東金線を経由して外房線、内房線を通る房総半島一周コースです。最後は蘇我で京葉線に乗り換えて、東京駅のとなりの八丁堀駅がゴールです。
太平洋と東京湾という2つの海景色を満喫できるおすすめのコースです。サングラスを持ってお出かけください。
これだけ乗って運賃は140円! 下の図の赤線のコースをたどります。
南関東コースの乗車経路図
南関東コースの乗り継ぎ時刻表
下記の時刻表は2020年3月14日ダイヤ改正後の土休日の時刻表をもとに作成しています。お出かけの際は必ず最新の時刻表をご確認ください。
南関東コースの楽しみ方
このコースは千葉駅と蘇我駅以外はエキナカに売店がないため、食料の事前調達が必須です。
東京駅で食料を仕入れてもいいですが、千葉方面に馴染みがない方は早めに千葉駅へ行って「ペリエ千葉エキナカ」でお買い物してはいかがでしょう。平日は朝8時開店、日祝は朝9時開店です。
一筆書きの経路にするため、総武本線、東金線で迂回して外房線に入ります。大網から安房鴨川までは2時間半。長丁場ですが、車窓から望む太平洋は格別です。
安房鴨川駅で路線名が内房線に変わりますが、しばらくは太平洋に沿って走ります。海を離れて館山駅に着くと、そこから先で見えるのは東京湾です。
東京湾フェリーの金谷港の最寄り駅=浜金谷駅の風景。ヤシの木が南国ムードを演出します。
内房線の車窓から富津市の東京湾観音を遠望。高さは56メートルもあるそうです。
蘇我から先は京葉線。都会的な港湾風景や人工的な都市景観とともに、東京湾の眺めを楽しめます。
モデルコース4=西関東(鶴見線・根岸線・相模線・川越線など)
東京駅の総武地下ホームから出発。横須賀線の武蔵小杉で南武線に乗り換え、さらに尻手(しって)駅で乗り換えて浜川崎へ。ここは大回り乗車でありながら改札口をいったん出られる珍しい駅です。そして、鶴見駅では中間改札を通ります。根岸線で横浜のベイエリアを眺めたのち、相模線、八高線、川越線で一気に北上。大宮で南に転じて武蔵野線、中央線、山手線経由で都心へと戻ります。
これだけ乗って運賃は140円! 下の図の赤線のコースをたどります。
西関東コースの乗車経路図
西関東コースの乗り継ぎ時刻表
下記の時刻表は2020年3月14日ダイヤ改正後の土休日の時刻表をもとに作成しています。お出かけの際は必ず最新の時刻表をご確認ください。
西関東コースの楽しみ方
このコースの見どころは何といっても鶴見線。都会のローカル線とも称される独特の雰囲気が魅力です。
大回り乗車の旅でも特筆すべきことがあります。それは、浜川崎駅では南武線と鶴見線の駅舎が分かれていることから、一旦改札外に出なければなりません。途中下車ができない大回り乗車では貴重な例外を体験できる駅です。さらに、鶴見駅には中間改札が設けられています。
中間改札は大回り乗車初心者だと緊張するかもしれませんが、たいていの場合、係員にきっぷを見せて「大回り乗車してます」と言えば通じるのでご安心を。
横浜から根岸線に入ります。ランドマークタワーや横浜スタジアムなどの横浜らしい景色を間近に望めます。
茅ヶ崎駅到着はちょうどお昼どきですが、エキナカのお店がないので相模線で八王子へ移動します。
八王子駅には駅そばのお店や駅弁の売店、コンビニがあるので、気分次第でお好みの食事ができます。
八王子駅のホームにあったジューススタンド「HONEY’S BAR」。黄色い看板がオシャレですね。
八王子から先は、川越線に乗り入れる列車で川越へ向かいます。
川越で埼京線に直通する列車に乗れば新宿まで行けますが、時間が早いのであえて遠回り。武蔵浦和駅で武蔵野線に乗り換えて西国分寺へ行き、中央線に乗り換えて新宿へ行くことにします。
さらに新宿からは中央線ではなく山手線で池袋方向に回ってゴールの神田に到着です。
まとめ
ここまで4回の大回り乗車で、コース選択の仕方が徐々にわかってきたのではないでしょうか。
東京近郊区間は目的地まで複数の経路が考えられますので、慣れてくれば臨機応変にコースを選べるようになることでしょう。
この経験を活かして、あなたオリジナルのコースで5回目、6回目の大回りの旅へぜひお出かけください。