初乗り運賃で旅行ができる、大回り乗車をやってみよう!
初乗り運賃で一日じゅう電車旅を楽しめる究極の格安旅行=「大回り乗車」をご存じですか?
「聞いたことある!」
「知ってるけど、まだやったことない。」
という人もいれば、
「やってみようと思ったけど、よくわからなくて、あきらめた。」
という人もいらっしゃると思います。
そういう方のために、今回はわかりやすく「大回り乗車のキホンのキ」から解説いたします。
初めての大回り乗車はドキドキ!?
大回り乗車を一度でもやったことがある人にお聞きします。
「初めて大回り乗車をやったときって、どうでした?」
1回目から簡単でしたか? それとも、余裕でしたか?
私はかなりドキドキで、心臓バクバクしながら改札を通った覚えがあります。
「この乗り方で大丈夫かな?」とか、いろいろと不安だったのではないでしょうか。
大回り乗車はカンタンだけど、難しい
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大回り乗車は、理屈とかやり方は簡単なんですが、だけど難しいと私は思います。
どういうことかというと、基本的なルールは単純で、鉄道好きな小・中学生であればすぐに理解して実行できるくらいカンタンです。
けれども、深いところまで踏み込むと、考えないといけないことがたくさんあります。
テクニック的な難しさもありますし、心理的、メンタル的な難しさもあります。
初乗り運賃で一日中電車に乗るという、どう考えてもアブノーマルな乗り方なので、「こんな事して大丈夫なの?」いう、気持ち的な難しさがあると思うのです。
前提条件は「紙のきっぷ」利用
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解説を始める前に、前提条件をお伝えします。
今回の解説は、紙のきっぷを利用する大回り乗車を対象とします。
最近は IC カード乗車券=Suica、ICOCAなどを利用される機会が多いと思いますが、今回は紙のきっぷ限定です。
以前はそういう前提を付けなくてもよかったのですが、ICカードエリアが拡大してきたことで、紙のきっぷとICカード乗車券の違いが問題になる場面が出てきました。
紙のきっぷとICカード乗車券はルールが違います。使えるエリアも異なります。
普段、通勤・通学で利用されているだけなら、紙のきっぷもICカード乗車券も、同じきっぷだと思われるでしょうし、その認識で困ることもありません。
しかし、大回り乗車で使うとなると、この違いが際立ってきます。
ということで、今回のお話は「紙のきっぷの大回り乗車」であることをご認識ください。
ICカード乗車券の大回り乗車については、別の回で改めて解説します。
なお、当ページに記載の内容は、特に指定がない限り、2021年9月現在の情報です。
大回り乗車とは何か
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「大回り乗車って何?」というところからお話しします。
自動券売機で買える近距離きっぷを使って、特定のエリア内をあえて遠回りする乗り方のことを【大回り乗車】(おおまわりじょうしゃ)と呼んでいます。
遠回りして長距離を乗ることができますが、途中下車はできません。
どんな旅ができるのか、カタい文章で説明するとわかりにくいので、筆者の体験談をもとに説明します。
大回り乗車ってどんな旅?体験談でご紹介
初乗り運賃で大阪近郊エリアを大回り
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筆者が生まれて初めて大回り乗車した時の乗車記録を紹介します。
2012年に、新大阪駅から東淀川駅まで、当時120円のきっぷで大回り乗車の旅に出かけました。
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赤線で示したコースを乗車しました。
新大阪からすぐとなりの東淀川へ行くのに、逆方向に大阪、和歌山、柘植、米原を通り、琵琶湖をぐるっと回って東淀川まで帰ってくるというロングコースです。
旅の様子を見ていきます。
新大阪駅出発は早朝6時半
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出発時間は朝6時30分。乗り鉄の朝の早い!
新大阪駅のホームから、目的地の東淀川駅のホームが目で見えるほどの近距離(上の写真)。
だけど、わざわざ遠回りします。
途中、JR西日本のいろんな車両が見られます。
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琵琶湖線、湖西線などを走る新快速。
草津線の緑一色の車両。
関西本線を走る、顔が紫色のディーゼルカー。
こういった車両を乗り継いで大回りしてきました。
車窓には、のどかなローカル線の景色が広がります。
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途中下車できない、列車に乗りっぱなしの旅ですが、景色だけはたっぷり楽しめます。
食べる楽しみもございます。
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写真は米原駅の井筒屋さんという、有名な駅弁屋さんのお弁当です。
米原駅のホームで味わいました。
こんな旅を経て、出発から12時間後の午後6時30分に、目的地の東淀川駅に到着です。
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大充実のこの旅が、現在の運賃で130円!
もちろん、駅員さんに「追加料金、払ってください!」なんて言われてません。
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この旅の乗車距離は約450 km。
新幹線でいうと、新大阪駅から熱海までの距離が同じぐらい。
西方向だと、新大阪から新山口までの距離に匹敵します。
この乗車距離を、もし通常の運賃で払ったとすると、約7,500円相当になります。
ただし、大回り乗車として乗っているので、たったの130円でOKです。
あんなに長距離乗っても130円だなんて、すごいですよね!
鉄道ファンなら、うれしくってしょうがありません。
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「でも、こんなことして大丈夫なの?」
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普通の人であれば、そう思うはずです。
どう考えても辻褄が合わない、と。
「あんな長距離乗ったら、そりゃあ7,500円くらいかかるよね。130円っておかしくないですか!?」
そう感じるのは無理もありませんが、おかしくありません。
もちろん、大回り乗車は合法的な乗り方なのですが、その根拠は何なのか?
次のページでそのあたりを詳しく解説します!
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