鉄道旅行がブームです。50歳以上限定の会員サービス「大人の休日倶楽部(JR東日本)」「おとなび(JR西日本)」や、格安旅行の定番「青春18きっぷ」が中高年に人気となっています。
これから乗り鉄を愉しみたい人や、ゆくゆくは全線完乗を目指したい人には鉄道地図帳があると便利! JR全線完乗した筆者が、種類豊富な地図帳の使い勝手をタイプ別にお教えします。あなたも地図を片手に鉄旅に出かけてみませんか?
※掲載の情報は2022年10月現在のものです。
鉄道地図帳とは
鉄道地図帳とは、その名の通り、鉄道に特化した地図帳です。
鉄道路線と駅をくっきりとわかりやすく表記していて、車窓から見える山の名前や名所などが書かれています。
現役の鉄道路線だけでなく、廃止された路線や駅が記載されたものもあるので、廃線跡を調べたり訪ねたりするのにも便利です。
鉄道地図帳は種類が豊富
近年、鉄道旅行がブームになるにつれ、多くの出版社からいろんなタイプの鉄道地図帳が発売されています。
旅行に携帯しやすい小型のものから、日本全土が見渡せる一枚ものの大きな地図までさまざまです。
価格は1,000円前後のものが多く、リーズナブルです。
用途に合わせて自分好みの地図を選んでください。
鉄道地図帳を使うメリットとデメリット
昨今はスマホで地図を見る機会が多くなっていると思います。
GPSで現在地を確認しながら周辺情報を調べることができるため、方向オンチな人でも安心して旅することが出来ます。
ではアナログな紙の地図帳はもういらないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません!
アナログならではのメリットがちゃんとありますよ▼
鉄道地図帳(紙)のメリット
- 鉄道に特化しているため車窓から見えるものを把握しやすい
- 紙だからバッテリー切れや通信圏外の心配がない
- 乗ったところをペンやマーカーで塗りつぶして記録できる
- 種類が豊富なので自分好みを見つけやすい
- 全体を俯瞰で見られる
- 家に居ながらでも机上旅行を楽しめる
鉄道地図帳(紙)のデメリット
- 刊行後の路線廃止や新線開業は反映されない
- 大きなサイズの地図帳は持ち運びにくい
- 文字が小さい スマホのように拡大できない
鉄道地図帳の選び方のポイント
持ち運びやすいサイズ
鉄道地図帳は、旅に持ち歩いてこそ真価を発揮します。
カバンからサッと取り出して開くことが出来る、小さめの地図帳が携帯しやすくて便利です。
しかしながら、紙面が小さいと文字が小さくなりがち。
携帯しやすさと読みやすさをてんびんにかけて、あなたにとってバランスがいい地図帳を選んでください。
地図に添えられている情報量
一般的に、サイズが大きく、ページ数が多いほど、情報量が豊富になります。
地形図だけでなく、沿線の見どころなどの旅行ガイドを兼ねた地図帳もあります。
旅行の計画を立てたり、机上旅行を楽しむのに向いています。
書き込み・塗りつぶしのしやすさ
旅の記録として乗った路線を塗りつぶしたり、旅行中の出来事をメモ書きしたい場合もあると思います。
しかし、光沢のあるツルツルの紙だと、インクをはじいてしまうかもしれません。
ボールペンやマーカーで書き込みやすい紙質であるか。そして、書き込みする余白があるかをチェックしましょう。
筆者が愛用している鉄道地図帳はこれ!
筆者はこちらの「日本鉄道旅行地図帳(増結)乗りつぶしノート」(2009年5月発売)を長年愛用しています。
購入したのがほとんどの路線を完乗した後だったため、塗りつぶしは途中でやめました。全部塗るのが大変なので。
乗車記録用というよりは、廃止路線を調べるのに使っています。
本書は2015年に第3版を発売したのを最後に、最新版が出ていません。私にはとても使い勝手がよくておすすめなのですが、絶版で入手できないのは残念です。
用途別・使い勝手が良いおすすめの鉄道地図帳
現在入手可能な鉄道地図帳で、おすすめしたいものを厳選して紹介いたします。
乗車記録も車窓案内もおまかせの鉄道地図帳
筆者のイチオシはこちら▼
amazonの評価:★星4.2
乗り鉄におなじみの鉄道雑誌『旅と鉄道』が発行している、旅行ガイドとしても見やすい鉄道地図帳です。
本体には絶景区間、名物駅、駅弁、駅近スポットなど、旅を充実させる情報がふんだんに掲載されています。
ページをめくるだけで旅している気分が味わえますよ!
乗車記録と車窓案内の両方が手に入る、オールマイティな一冊。どなたにもおすすめです。
全線完乗・乗り潰しを目指す人におすすめの鉄道地図帳
amazonの評価:★星4.4
携帯性にすぐれた手帳サイズの地図帳です。
乗車した路線を塗りつぶしできる白地図と、駅の乗降記録を付けられる駅一覧のページがあります。
書き込みする前提で、裏写りしにくい紙が使われているのは嬉しいポイントです。
ただし、刊行が2017年のため、それ以降の路線改廃は反映されていないことにご留意ください。
amazonの評価:★星4.4
乗り潰しログブックの拡大版といえる本書。
2016年に発刊された同書が好評だったため、2020年7月に新版に更新されました。
雑誌サイズで見やすい大きさになっており、乗り潰しに役立つ豆知識などの記事もあります。
ページの境目も塗りやすいように、本を開きやすくしているのは「かゆい所に手が届く」配慮ですね。
さらに「鉄道スタンプ帳」が付録についているので、買ったらすぐに乗り鉄を楽しめます。
車窓案内におすすめの鉄道地図帳
2022年9月発売。西九州新幹線(長崎-武雄温泉)開業に対応した最新版です。
鉄道地図だけでなく、絶景区間や鉄道の見どころなど、旅に役立つ情報を満載しています。
美しいカラーの鉄道写真が掲載されていたり、鉄道知識に関するコラムがあったりと、ページを開くだけで旅に出かけたくなる内容です。
同シリーズの乗りつぶしノートもあります。こちらも西九州新幹線開業に対応しています。
子どもが楽しく読める鉄道地図帳
amazonの評価:★星4.4
2020年6月発売。
電車好きなお子さんが、自分で見て、読んで、楽しめる鉄道大百科です。
キッズ向けとうたっているものの、内容は「JTBの鉄道旅地図帳 正縮尺版 」とほとんど変わりありません。それくらい中身が濃いです。
小学生が読めるように、「日本全国の路線地図」にはJR・私鉄の全路線すべてにフリガナが振られています。
また、鉄道の基礎知識やさまざまな鉄道会社の車両を、迫力ある写真やイラストでわかりやすく解説しています。
電車好きなお子さんなら、趣味を生かして社会科(地理)の勉強になり一石二鳥です。
親子で一緒に開いて楽しんでください。
全体を見やすい一枚物の大判地図
amazonの評価:★星4.4
2011年7月発売
amazonの評価:★星4.1
2016年6月発売
折りたたみ式で、大きく広げて全体を俯瞰できる一枚物の地図です。
ページの境目がないので路線のつながりを追いかけるのに便利です。
壁に貼ったり、机の上に置いたりして、いつでも見られるようにするといいですね。
どちらも発売から年月が経っているため、路線改廃情報が古くなっている点は気を付けてください。
史料として持っておきたい鉄道地図帳
amazonの評価:★星4.4
出版の老舗である昭文社が発行した鉄道地図帳です。
428ページの大容量で、日本全国の鉄道を詳しく網羅しています。
さらに、昭和20年以降の廃線が記載されているので、廃線跡の探訪にも役立ちます。
ぶ厚いので旅行に携帯するのには向きませんが、手元に置いておきたい史料といえるでしょう。
amazonの評価:★星4.1
2008年に発売され、その後の鉄道地図ブームを巻き起こした元祖です。
北海道から九州・沖縄まで、地域ごとに12分冊となっていて、廃線もすべて網羅するなど、情報量が大充実しています。
改訂版が出ていないのは残念ですが、鉄道ファンなら揃えておきたいシリーズです。
この他に「日本鉄道旅行歴史地図帳」シリーズもあります。廃線調査を楽しむ鉄道考古学ファンにおすすめです。
いっぱい旅行して、たくさん塗りつぶそう!
あなたにぴったりの鉄道地図帳は見つかりましたか?
まっさらな地図帳に、乗車記録や旅のメモをドンドン書き込んでいくと、自分だけのオリジナルな一冊ができあがります。
家にいるときも、地図帳を開いてみるだけで旅の思い出が鮮やかによみがえることでしょう。
たくさん書き込むほど愛着が湧いてきて、もっと旅がしたくなるはず。
地図を片手に、素敵な鉄旅にお出かけください!